4−7
出棺を見送った『佐和子』は車の手配が遅れているとかの理由で、別室へと案内される。
自分の棺を見送ると言う、まさに悪夢以外の何ものでもない光景を目の当たりにした真佐実は、
まるで自分の意思を持たぬ人形の様に、促されるまま一人個室へと通されるのだが、
一人になった途端、先ほどの『送る会』での言動が、その脳裏に蘇ってくる。
文字通り、最早全てが終わってしまった。
『西川真佐実』は家族に見送られ、葬儀を終え、出棺されてしまった、、、、、、
その後は、、、、、、
、、、、、、、、、火葬場へと送られ、、、、、、
「ヒッ!!、、ヒィィィッッッ!!!!」
そこまで想像した途端、恐ろしさのあまり悲鳴を上げる真佐実。
その場でのキモリ文句である『最後のお別れ』、そして納骨、、、、、、、
でも、、自分はここにいる、、、、、、
それでは、、、、、いったい、、、、、、そこにいるのは、、、、、
それとも、、、ひょっとして、自分は本当は、、、
全てが妄想の中の仮想の事であり、、、、本当は、、、、自分は、、、、
「!?!?、ち、、違う、、佐和子じゃない、、、真佐実よ、、、私は西川真佐実よぉぉっっ!!」
あまりに過酷な現実を突きつけられ、もはや完全に混乱し始めた真佐実は、自分に言い聞かされるかの様に、
既に何度目か判らぬ位の絶叫を繰り返すしかなかった。
そんな真佐実は、通路に忍び寄る人の気配など判る筈もない。
やがて、ドアの隙間から噴出されるガスの音にも気付かぬ真佐実の意識は、また暗闇の中に落ちていくのであった。
そして、次に目覚めた時、もはや真佐実はこれが妄想か、現実かの区別すらつかなくなっていた。
再び真っ白な部屋の中、全裸のまま拘束され、手術室の手術台で目覚めた真佐実。
そして、同じく前回同様、真佐実を見下ろす少女たち。
「うふ、お久しぶり、真佐実先生、、じゃないわ、、『佐和子』さん、、、、うふふふ、、、」
「うふふふ、でも、ちょっと紛らわしいから、やっぱり『マサミ』って呼んであげるわね。」
「ただし、もうあんたは『理事長』でも『先生』でもない、名前もカタカナの『マサミ』よ。」
だが、もはや抗う気力すら失われた真佐実、いやマサミは、ただ虚ろな瞳の視線をさ迷わせるだけであり、
少女たちの言葉にも、反応すら示さなかった。
「なんか、この世の終わりってお顔だけど、まだまだこんなものじゃないわよ。」
「まずは、脱走の罰で、整形の追加ね。」
「前回は『アンチエイジング』がテーマ(?)だったけど、次のテーマは、、、、、うふふふふ、、」
「ずばり、、『エロ』よっ。」
「いまでも、マサミは巨乳のデカ乳だけどぉ、もっとデッカく、もぉバスト1m以上の牝牛並みにしちゃうわ。」
「あと、お尻も、ぷりんぷりん、歩くだけで牡を挑発する様なデカ尻。」
「そぉねぇ、、、後は、、、まぁ、目覚めた時のお楽しみかな、、、、?、、!?、、あらっ!?
あんた泣いてるの!?」
「うっそ、ほんとだ、ちょっとぉ、、しっかりしてよぉ、、、これからがお楽しみなんだからぁ、、、」
いったい、なにが『楽しい』のか、、、、、
もう、、、、終わりにして欲しかった、、、、、、、
全てを失った自分のあまりの酷い境遇に、もはや抗う気力すら尽きたマサミの瞳からは、ただ留まる事なく
大粒の滴が溢れ落ちるしかない。
だが、そんな哀れなマサミに、容赦ない現実を突きつける少女たち。
「なんかつまんないなぁ、、、じゃぁ、もぉマサミと遊ぶの止めてぇ、、、」
「ねぇねぇ、じゃ、今度は『佐和子』と『昭夫』で遊ばないっ?」
「えぇっ?どうするの?」
「そぉねぇ、、例えば、『佐和子』を逆に老けさせちゃうとか、、、、」
「!!あっ、ねぇ、こういうのは、どぉ、『佐和子』と『昭夫』を取り替えちゃうの。
2人のアレとナニを手術で交換、『佐和子』に『昭子』を孕ませちゃうのよっ!!」
「!?!?うっわっっ、、鬼畜ねぇ、、、、、、」
その提案のあまりの過酷さに、さすがにドン引きする少女であるが、それを聞かされたマサミは、
文字通り生きた心地すらしなかった。
自分が味わう以上の生き地獄を、なんで可愛い孫たちにさせてなるものか。
尽きかけた気力を振り絞り、夢中になって頭を振って、そのあまりに過酷なプランを否定するマサミ。
そして、それを見た少女たちは、目論見通りのマサミの反応に気を良くして、ダメだしの念押しを忘れない。
「うふ、そぉそぉ、マサミはそう言う風に元気じゃなくっちゃ、、、、」
「でもぉ、良いかな、、あんまり妙な事すると、、、ほんとにするからね。『老化』とか『交換』とか、、、」
そのあまりに恐ろしい言葉を前に、もはや自分には死ぬ事すら許されぬと気付かされた哀れなマサミの意識は、
また、何度目かの闇の中に消えていくのであった、、、、
「、、、、っと、、、、ちょっと、、あんた、、、、、こんなトコで寝てられちゃ、メーワクなんだけど、、、」
『、、、、?、、、、、だ、、、れ、、、、、、?、、、、、??、、、、???』
乱暴に揺り起こされる衝撃に目覚めさせられたマサミは、ゆっくりと目を開けたのであるが、飛び込んできた
強烈な照明に目が眩み、思わず再び目を閉じてしまう。
だが、それに気付いた最初の声の主は、再び声を上げる。
「あぁ、、やっと起きたわね、、、、ねぇ、、聞いてる?」
『、、、、じ、、ぶんは、、、、そぅ、、、あぁ、、、、、また、、、、、』
我が身に起こったことをようやく記憶から掘り起こしたマサミは、その余りにも過酷な状況に絶望するしかなかった、、、
のであるが、そんなマサミの内心など知る由もないその声の主は、どうやらマサミが気付いたと知り、
発言をエスカレートさせていく。
「まったく、そんな格好で恥ずかしくないのかぃ、、、最近の娘さんは、、、」
『、、、、、!!!!!』
そう指摘され、もはや何度目か判らぬ不吉な予感に怯えたマサミは、俯きつつもゆっくりと瞳を開くのだが、、、、
『、、、、、?、、、、?!、、、、?!?!、、、!!!!、、、あ、、あぁぁ、、、、』
思わず瞳を閉じ、、、、そして数舜後、また開くのであるが、、、、、
それは夢でも見間違いでもなかった、、、、、、
まず目を開き、視界に入ってきたのは、2つの巨大な物体であった。
そう、、、それは紛れもない、新たなマサミの肉体の一部である巨大なバストであったのだ。
そして、脳裏に蘇るあの悪魔たちの言葉。
『牝牛並みに、、、』
それは全くの事実であったのだ、、、、、、、
その巨大な肉塊は、深い谷間、、、どころか乳首スレスレしか布地に覆われておらず、それに気付いたマサミが
反射的に胸元を隠しつつ、その布地を引き上げて乳房を隠そうとしたのであるが、それと同時に腹部と背中に
外気が触れる感覚して、思わず両手を止めてしまう。
そして、それと同時に大げさではなく、生唾を飲み込む音が聞こえたマサミは、怯えながらもそちらを伺うと、、、
見れば60前後であろうか、見るからに清掃員の格好をした男が、年甲斐もなく欲望剥き出しの卑猥な
目付きで食入いる様に自分を見つめているではないか。
そして、その隣には同じくらいの年配の、同じく清掃員であろう女性が、同性ならではの敵意剥き出しの視線を
自分に向けている。
女性の視線もさることながら、なによりそんな初老のおやぢの卑猥極まる目付きのいやらしさに、震え上がった
マサミは、思わず立ち上がりその場を去ろうとするのであったが、、、、、
「!?、あっ!!、、あぁっ!?!?」
自分の新たな肉体の余りの巨大さと、ふらつく足元がよろけ、転びかけたマサミは、なんとか膝を床に着くだけで
堪えられたのだが、その際に大きく揺れた上半身からは、文字通り白く波打つ巨大な肉の塊がまさに
『ばぃんばぃん!!』の擬音が聞こえそうな位に揺れ弾み、周囲を圧倒してしまう。
そして、自分の取ったポーズのあまりの無様さに、耳まで真っ赤に染めたマサミは、必死に体勢を起こすと、
言葉少なにその場を逃げる様に去るのであった。
「、、、あ、、あの、、失礼します、、、!?!?、、、、!!!!」
歩き始めて気付いたのであるが、足元がふらつくのも道理であろう。
なんとマサミが今履いているのは高さは対してないものの、ピンヒールのミュールだったのである。
そして、小走りに進む位で、激しく揺れ弾む巨乳を抑えるマサミからは、もはや見る事も出来ぬ下半身の
頼りなさは、おそらく極端な超ミニスカで間違いない。
そんな羞恥衣装を纏いながら、逃げる様に歩くマサミは、ようやく自分がどうやらどこか見知らぬショッピングモールに
中を歩いているらしい事に気付いた。
そして、なにより人目を避けたいマサミは、まずは化粧室を探してそこに飛び込み、ようやく我が身を確認したしたのだが、
その新たな我が姿とその衣装に思わず絶句するしかなかった。
まずは衣装だが、巨大な乳房を辛うじて覆い隠すのは、真っ白なチューブトップであり、それも極端に幅の狭く、
おそらく極薄のその布切れは、胸元を隠す様にずり上げれば腹部の大半が覗き、さらにははっきりと乳首の形までが
浮かび上がる、どころかうっすらと乳首の色すら透けて見える様なものだったのだ。
更に下半身はと言えば、予想通りのほぼ股下0cmの極端な超ミニスカでしかもショッキングピンクでフレアという、
まるでチアコスのようなもの。
しかもローライズなので、少しでも屈めば尻の割れ目すら上から覗いてしまうと言うトンデモなものなのだ。
そして、なにより鏡に写った己が姿、、、、、、、、
目元をしつこい程に強調するドぎついメイクにおそらくラメ入りなのかテカテカ光る瞼。
扇情的な真っ赤な唇は今風にポッテリと肉厚で、グロスがたっぷり塗られているのか、
卑猥な程に濡れ光っている。
造作は生来真佐実が持っていた上品そうな顔立ちを生かしつつ、いったいどの様な手法を
用いたのか、全体的に若さ溢れる新たな生き生きとした素顔(?)であり、もちろん、真佐実とも、
また微妙に佐和子とも違う顔へと変えられていたのであった。
だが、それはライトブラウンのウェーブのかかったロングへアと露出過多のエロ衣装にも、
バランスからすればよく似合った、(少々古いがいわゆる)コギャルメイクとファッションでは
あるものの、その正体は齢50を過ぎた熟女に堪えられるものではなかった。
変えられた我が身に呆然とするマサミであったが、ふと気付くとトイレ内の化粧台に、
人が集まりつつある。
だが、その誰も彼もが小柄で白髪頭の、、、早い話が老女だらけであったのだ。
当然、そんな女性達が、今のマサミの風体の少女(?)に良い印象を持つわけもなく、
露骨に敵意剥き出しの視線を向けてくる。
はちきれそうなほどの巨大な乳房は、ほんの少しの挙動にもたゆんたゆんと白く波打ち、
付け根まで剥き出しにした両脚はムチムチの太ももが露わ、どころかプリプリとした尻肉すら
背後から覗くほどであり、その全てが皮膚再生治療の結果であろう、照明を浴びて眩いばかりに
皺どころかシミ一つなく輝いているのだ。
そんな若さ溢れる(?)女性に、もはや二度と取り戻せぬ青春の悦びを感じ取った老女達は、
いつしか独り言んしては大きすぎる声で、その露出美女を嘲笑し始めていた。
「おやおや、**さん、良い若いものが一人でこんな時間に何してるのかねぇ、、」
「まったく、仕事もしないで、立派な身体見せびらかして、見てるこっちが恥ずかしいよねぇ、○○さん。」
そんな老女達の言葉は容赦無くマサミの心を切り刻み、恥辱で耳まで真っ赤に染めると、居た堪れずにトイレを
後にするしかなかった。
そして、通路に出た途端、ここに入った時には気が付かなかったのであるが、そのショッピングモールの
状況を知り、呆然とするしかないマサミ。
そう、未だマサミは気付かぬが、そのマサミが放置された日は、ごく普通の平日であり、そんな日の
ショッピングモールなど、中にいるのは暇を持て余した老人達くらいであり、杖や手押し車の集団しか
周囲には見当たらないのだ。
そんな中、見た目20代半ばの露出衣装の女性が一人ポツンと通路にいる様子は、あまりにも場違いであり、
とても、その場にもいられぬマサミは、思わずそのモールからも逃げる様に出るしかなかった。
だが、外に出たとしても途方にくれて、とぼとぼ歩くしかない哀れなマサミ。
あの容赦の無い悪魔たちは最後の止めとして、陰湿にもエロ衣装での見知らぬ街への放置を行ったようであり、
その街はマサミが訪れたことはおろか、聞いたことも内容な地方都市であったのだ。
だが、最後に念を押されてしまった様に、娘家族の身を案じれば、とても官憲へ頼る事も出来ず、まさに一文無しで
文字通り孤独と絶望、恐怖を骨の随まで刻み込まれたまま、街をさ迷うしかない。
、、、と、思っていたのであるがふと、その飾りの様に小さなミニスカのポケットを探ると、
なんど1000円札が一枚あるではないか。
一瞬、その剥き出しの紙幣に、彼女たちの侮蔑と嘲笑、哀れみを感じ取ったマサミは、その屈辱に悔しそうな
表情を浮かべる。
しかし、それと同時に、つい周囲にはばかられる様な巨大な腹の虫が鳴ってしまったのもまた事実であった。
そういえば、真面に食事をしたのはいつのことであろうか、、、、、、
そして、一旦自覚してしまった空腹に抗えぬマサミは、悔しさに唇を噛み締めながら、しかし背に腹は代えられず、
周囲の街並みを目標を求め歩き始める。
数刻後、マサミの姿はとある全国チェーンの格安ファミレスの中にあった。
そこは、ありがたいことに、その値段でもフリーでバイキング形式の利用が可能であった為、当初はまさに
飢えを満たすにの夢中であったマサミであるが、それも終え、文字通り途方にくれるしかないマサミは、
いつしか、自分に向けられていた、微妙な視線に気付き始めた。
いやな予感がして、そちらを見ずに視線の端で確認すれば、、、、、、、、
そう、、、平日のランチタイムを外れて、なおかつファミレスで時間を潰す集団と言えば、教育者である(あった?)
マサミがつい、顔を顰めてしまいそうな集団しかいない。
そして、まさに文字通り、判で押したかの様に典型的なヤンキー集団のグループが、実に興味津々とマサミの
様子を伺っているではないか。
もっとも、今のマサミの風体を見て、自分と同類と思うヤンキー達にさして他意は無いのであろう。
なにより、まともな社会人であれば、まず職場などにいるであろう時間に、延々とファミレスで所在無げに
滞在している女性を仲間と思う彼らの考え方は、無理もないと言えるかもしれなかったのだ。
おまけに、その女性は、そんな田舎のヤンキーが、これまで雑誌や画面の向こうでしか見たことの無い様な
ド迫力のエロボディであり、おまけにそれをまさにこれみよがしに露出させている。
しかも、空腹の際のマサミは気付く余裕も無かったのであるが、ややオーバーアクションで食事をしていた際など、
男性なら思わず視線を釘付けにしてしまう程に、激しい巨乳の揺れ弾みが丸見えであったのだ。
そのヤンキー達の卑猥な視線に耐え切れず、思わずテーブルに肘を付き上体を隠そうとするが、そんな体勢を
とれば、かえってタユンッとばかりに巨乳が露わになりかねず、慌てて今度は逆に身体を起こして反らし気味にすると、
今度はプリンッとばかりに、いわゆるロケット乳房があまりにもわがままに自己主張してしまう。
すると、そんなマサミの仕草を勘違いしたのか、ヤンキー達の視線がいよいよ露骨なものとなり、誰か声を掛けろと、
なんと「ナンパ」の相談さえし始める声が聞こえてきたのではないか。
勿論、仮りにも教職にあったマサミは、本来であればその様な道を踏み外しかねぬ若者を更生させるべきなのであろうが、
如何に教職何十年のベテラン教師といえど、無理やり変身(?)させられたこの容姿でそれをするほど愚かではない。
むしろ、かつてであれば、彼らの様な若者からは敬意とまでは言わぬが、警戒や反発を含めたいわゆる畏怖の眼差しで
見られるのが常であったはずなのに、それがなんと今では同類としてナンパの対象と見られているのだ。
『、?、、、!?、、、!!!、、じ、、、冗談じゃないわ、、、、、』
そのあまりの扱いに悔しげに唇を噛み締めたマサミは、思わず後先考えずそのファミレスを退出してしまう。
だが、それは結果としてはマサミらしからぬあまりに短慮な行動であった。
なぜならば、店外へと出たマサミを追い、当然の様にヤンキー達も着いてきたからである。
しかも履きなれぬピンヒールで小走りに歩くマサミの後ろ姿は、超ミニスカの裾から、プリプリと真っ白な
ナマ尻が揺れ覗き、背後の彼らには見えぬが巨乳が今にもタンクトップからハミ出しそうに弾む揺れると言う、
なんとも扇情的なものなのだ。
田舎の平日とあって、路上でもさして人ともすれ違わぬが、それでも通り過ぎる人の誰も彼もが、その
マサミの胸部の巨大な揺れる肉塊に視線を釘付けにされていく。
『!!!、、、クッ、、な、、なんで、、、なんで誰も彼もが、、、、こ、、こんな、、、こんなっ!!』
これまでの人生で感じたことの無い、見知らぬ人々からの欲望剥き出しの視線に晒されるマサミ。
そして、その屈辱に憤ったマサミは思わず、更に最悪の反応を示してしまう。
突然に立ち止まりクルリと向きを代えたかと思うと、なんとツカツカと自分の背後にいたヤンキー集団へと
自ら向かって行ってしまったのである。
前述の様に、歩くだけでバィンバィンの巨乳が小走りにこちらへ迫ってくるのだから、もはやヤンキー達は、
その予期せぬ眼福に思わず立ち止まり、文字通りその両目を見開いて揺れるナマ巨乳をガン見するしかない。
すると、そんな彼らの反応に更に頭に血の昇ったマサミは、彼らの眼前にまで近付くと開口一番。
「あなた達、こんな昼間から遊び惚けてないで、学校とか仕事とか行ったらどうなのっ!!」
、、、、、、およそ状況的に有り得ない発言を堂々としてしまったマサミ。
一瞬、言われた内容を理解出来ず、ポカンとなるヤンキー達であったが、その後互いに顔を見合わせると、
その次の瞬間、その誰も彼もが大爆笑の渦となってしまう一同。
もっとも、これは彼らの反応にも無理からぬものがあるのであろう。
今、その実に真っ当な正論を、かつての真佐実であればともかく、今、口にしたのは半裸と言って良い程に
露出過多の衣装で半分以上も乳房を覗かせ、ナマ尻すらハミ出して歩くエロ女であり、なによりも
今現在、その女性自身もそこにいる以上、『学校』も『仕事』も無縁である証拠ではないか。
そのマサミの発言を、文字通り、『お前が言うな』としか受け取らぬ彼らは、爆笑を収めると、
むしろ、その笑いでより仲間意識(?)でも芽生えたのかマサミに親しげに話しかけ始めてしまう。
「あぁ〜、それ、チョー受けるんですけどぉ、お姉さん、ひょっとしてお笑いもイケる人?」
「ねぇねぇ、オレらと遊び行かない?」
「バッカ、おめぇ、せっかくお姉さんがネタ振ってくれてんだ『勉強』とか『仕事』とか言えよ。」
「あぁっ、そっか、ねぇねぇお姉さん、おれらとその辺のカラオケ屋で楽しい『お勉強』しない?」
今風なのであろうか、笑いを意識して、マサミに話しかける彼らの口ぶりは、もはや完全にその
目の前の女性を自分たちと同類としか思わぬ感じの扱いであり、そして、そんなマサミを含む路上の
集団に向けられる周囲の視線は、文字通り、侮蔑に近い様なものであったのだ。
もっとも、傍目から見れば、どう見ても歩道の片隅でたむろする、エロ衣装の女性を囲んだヤンキー達の集団である。
行き交う普通の社会人達からすれば、平日の昼日中から遊び惚けるそんな集団に行為的な視線を向けられる訳もなく、
良くて空気の様に無視、もしくは不快な視線でしか見る事も出来ないのが当然であった。
もっとも、ヤンキー達からして見ればそのような視線は、ごく普通な様で些かも気にしてはいないのであるが、
マサミにとってみれば、それは屈辱以外の何ものでもない。
そのことで更に頭に血の昇ったマサミは、憤懣やるかたない怒りを抑えもせず、決然とヤンキー達に宣告し
踵を返して再び歩きだしてしまう。
「ふ、ふざけないでっ!!とにかく、遊びになんか行きませんっ!!それに後を付いてこないでっ!!」
だが、その後ろ姿は相変わらずケツ見せ超ミニスカ、、、、、
勿論、それで帰る彼らの筈もなく、マサミの周りを囲む様にして歩き出す。
「あれっ!?お姉さん、怒っちゃった、でも怒ったお姉さん、可愛いなぁ、、」
「ねぇねぇ、オレらと『勉強』しにいこうよぉ、、、」
そして、あまりにしつこい彼らは、自分たちをガン無視するその露出女の揺れる乳房に触発されたのか、
思わず、その中の一人がマサミのチューブトップで剥き出しな肩の手を置いてしまったのだ。
そして、その(真佐実からすれば)あまりに無礼な行動に対してマサミのしてしまったことは、、、、、
「!!!、し、失礼なっ!!、、私に触らないで頂戴っ!!」
自分の肩にふれたヤンキーに向き直ると、そう宣言し、更にはなんとその横っ面を張ってしまったのだ。
ぱちぃーーんっ!!
その思いもよらぬクリーンヒットは、予想以上にキレイに決まり、張ったマサミも張られたヤンキーも、
思わず硬直してしまう程に快音を響かせてしまう。
そして、どうやらその一団、マサミにとっては不幸な事に街中で女にビンタされてヘラヘラしているタイプの集団では
ないようであった。
さすがにその侮辱を受け、一瞬で変わる周囲の空気。
それを受け、一気に血の気の引いたマサミは、彼らより先に硬直が解けると、もはや後先も見ず夢中になって
逃げ出すしかなかった。
そして、
「!!!待てっ、このアマッ!!」
「今、何ヤリやがったっ!!」
「大人しくしてりゃ、調子コキやがってっ!!」
と等々の型どおりのセリフで追いかけるヤンキー達。
さすがに、大勢の若者の危険な雰囲気に怯えを隠せぬマサミは、もはや必死でその見知らぬ街中を
逃げ回るしかないのだが、そんな中でも、その巨乳を揺らしながら走る美女とそれを追いかける
ヤンキー集団の構図は、やはり一般市民からは、不埒な集団の痴話喧嘩程度としか見られぬのか、
誰一人として関わろうとはしてこなかった。
その事実に、思わず悔し涙すら溢れそうになるマサミであったが、いよいよ背後に迫る若者達の
気配は、更に激しさを増し、むしろ暴力的とさえ言える程となっていた。
そして、次第に逃げ場を失いつつあるマサミの目に、コインパーキングの大型車の脇に佇む女性の姿が
見えた時、思わずその女性に助けを求めてしまったのである。
「お願いですっ!!助けて下さいっ!!襲われそうなんですっ!!お願いっ!!お願いしますっ!!」
見れば30代になるかならぬかの、ややキツめの美女であり、スーツ姿もよく似合う、キャリアウーマン風の
姿であった。
そして、そのキツめの容姿に相応しく、神経も図太いのであろうか、突然駐車場に走り込み、自分に
縋り付いてきたエロ衣装の女性にも、一瞬驚きはしたものの、その背後の集団に気付くと、傍らの車の後部ドアを開け、
その中へとマサミを促した。
「、、!?、、???、、、!!!、、、とにかく、中へ、早くっ!!」
「!?、あぁっ!!、、、ありがとうございますっ!!」
これまでの周囲の人々から冷たい視線に比べ、比較にならぬくらいのその反応に思わず安堵してしまったマサミは、
迂闊にもその見知らぬ車の後部座席へと自ら乗り込んでしまったのだ。
「、、、ヒッ!!、、、あ、、あの、、、し、、失礼します、、、、」
そう、乗り込んでから気付いたのだが、なんと車内にはもう一人乗客がいたのであった。
それも大型車の後部座席の半分以上を占有してしまう様な巨漢である。
縦も横も人並み外れて巨大なその男に一瞬気圧されてしまうマサミであるが、背後にせまるヤンキー達への恐怖と
匿ってくれた女性の言葉を信じ、そのまま乗り込みドアを閉める。
すると、幸い(?)その女性も車へ乗り込んで来れた。
だが、すぐさまエンジンを掛けて発進してくれるのかと思ったマサミであるが、なんと女性の行動でマサミの乗り込んだ側の
窓ガラスが開いてしまうではないか。
「!!!、、あっ!?、、、ち、違います、、それじゃありませんっ!?、閉めて、早く閉めて下さいっ!!」
そして、見ればドアガラスの向こうには、追い付いたヤンキー達が既にこちらを覗き込んでいたのであるが、その
誰も彼もが、車内の先客である、巨漢男の迫力に気圧されて手出し出来ずにいた。
しかし、その絶好のチャンスにも、ハンドル付近でもたつく女性は、一行にエンジンすら掛けようとしない。
出来る女性らしく見えたのだが、やはりメカに弱い女性なのか?と思ったマサミは、焦るあまりに思わず後部座席から
身を乗り出して助手席側へと移ろうとしたのであるが、その女性はせっかく匿ってあげたにも拘わらず口出しする様な
無礼な露出女に気を悪くしたのか、振り向きもせずに背後の巨漢に声を掛けた。
「えぇ〜っと、、あぁ、うるさいからもぉ、狭い車で騒がないで、、ねぇ、ちょっと怯えて興奮してるみたいだから、
悪いけど大人しくさせてくれないかなぁ、、、」
すると、その巨漢はマサミの身体を掴むと、まるで小荷物でも扱うかの様に軽々と持ち上げて、なんと自分の前へと
移動させてしまったではないか。
「!?!?、、あっ!?、、あぁっ!?!?、、、な、、何をするんですかっ!?」
しかも、その丸太の様な太い両腕を前にまわし、ガッシリとマサミを固定してしまう。
更にそれだけではない。
その巨漢が開いた両脚の間に座らされたマサミの太ももを挟む様にしていた自分の太ももを持ち上げたその巨漢は、
なんと、マサミの両脚の間を自分の足でこじ開け、これ以上な無い程に強引に左右に割開いてしまったではないか。
「アヒィィィッッ!!、や、止めて、止めて下さい、、大人しくします、大人しくしますから、、、」
だが、その無理やり取らされた開脚ポーズを恥じ入り、身を捩った際に、不幸にして乳房を辛うじて覆い隠していた
チューブトップが外れ、遂に乳首がポロリと覗いてしまう。
胸元は乳首も露わ、大開脚の股間はショーツも丸見えと言う、文字通りのエロさ全開のその美女を前に今や、
言葉もなく固唾を飲んで見つめるしかないヤンキーたち。
事態の急変に動揺するのは、どうやらマサミだけではないのか、彼らも無言のままマサミのエロポーズを凝視し続けるのみ。
だが、そこでヤンキーの一人がなんとトンでもないことを呟いた。
おそらくは、無意識で漏らした言葉なのであろうが、それは妙に静まり返った周囲に響き、当然であるのだが、
マサミにも聞こえてしまう。
「、、、、こりゃ、見てるだけなんて、、、、タマんねぇよ、、、ネェさん、、、、、、」
その言葉の意味に気付きかけたマサミが、思わず硬直してしまった時。
なんと、運転席にいた女性が小さく舌打ちしたかと思うと、一変して狭い車内に凶暴な空気が満ちてくる。
そして、車外にいるヤンキーの集団に向け、小さく一言。
「、、、、、、チッ!!、、、、、、、、不始末だね、、、、、」
そしてあまりに唐突に始まった凄惨な出来事、、、、
それは、そのあまりの惨さに、自分が取らされている羞恥のポーズも忘れてマサミが怯える程のものであった。
そう、、、なんと言うことであろうか、、、、、、
車内の女性のそのたったの一言で、車内どころか車外のヤンキー達の空気も一変してしまい、また、
その雰囲気の変化に気付き、顔面蒼白となったその男は、一瞬にして周囲から殴り倒されると、弁解の
余裕も与えもせずに、文字通り袋叩きにされていくではないか。
しかも、それは途中から、男の一人が脱いだ上着を被せられた事によって、上半身を拘束、目隠しまでされ、
更に地面に転がされた後は、容赦無く蹴りまくられていく、、、、、
腹部であろうが、股間であろうが、恐ろしい事に頭部、、いや顔面すら容赦も躊躇も無く蹴りまくる男たち。
当初こそ悲鳴を上げていたその不幸な男は、いつしかうめき声どころかピクリともしなくなってしまっていた。
そして、被せられた厚手の上着に滲み広がって行く褐色の黒染み、、、、、、、、
そう、、、それはこれまで真佐実が経験してきた世界とは明らかに異質な世界の出来事であった。
それがまさに目前で行われてしまったことのあまりの恐ろしさに、もはやここ数日の衝撃的過ぎる経験も忘れ、
文字通り顔面蒼白となって怯えるしかないマサミ。
この、ほんの少し前まで談笑していた仲間を容赦なく攻撃するキチガイじみた男たち、、、、、
そして、なによりもそんな男たちをアゴで使う美女、、、、、、
その恐ろしい女性の車にノコノコと乗り込んでしまった自分。
だが、本当の恐怖は次の瞬間に訪れるのだった。
運転席から振り向いて後部座席のマサミを見たその女性は、なんと輝く様な笑顔を浮かべながらこう言ってのけたのである。
「あら、そんなに怯えないで欲しいわ、、これから私たちとは長いお付き合いになるのだから、、、、
ねぇ、、、元理事長の西川真佐実さん、、、、、」
「!!、、、!!!!!、、、、、な、、、ヒッ!!、、ヒィ〜〜〜ッッッッ!!!!」
まさかにも自分の本名を告げられるとは思わなかったマサミであったが、それを聞かされれば魂胆に気付かぬ筈もない。
そう、、、間違いなくこの女、そして周囲のヤンキー達も、校長達とグルであったのだ。
そして、これからは、この狂気の様な集団と、、、、、、、
そこまで気付いた瞬間、一際金属的な悲鳴を上げた後、恐ろしさのあまりに、ガックリと失神してしまう、
哀れなマサミであった。
last-4-06へ
last-4-08へ
田沼先生の世界Topへ
Topへ