最終章 1-11


一度、飛び越えてしまった境界は、もはや然したる妨げとはならなかった。

あの、白昼の露出狂となってしまった日から、数日毎に真佐美に命じられる変態行為の連続。

当然、正気に戻った時の、消えてなくなりたいと思うまでの激しい後悔、気も狂わんばかりの恥辱は、
何度その変態行為を行っても、いや、行う度毎に激しさを増すばかりである。

だが、放課後、和美達からの呼び出しを受けると、もはや、真佐美は思考停止の状態に陥り、
フラフラとまさに夢遊病者の如く、外出せずにはいられなかったのだ

勿論、その脳裏では、
『仕方無いのよ、、真由美達の安全の為、命令なのよ、、、』
とひたすら弁解を続けてはいるが、
もはや、それが只の言い訳、いや口実に過ぎないのは、はたから見れば、明らかである。

学園近くの路地裏で待つ和美達の乗るミニバンに乗り込む真佐美の美貌は、
これからのプレイへの期待で、上気した顔で瞳もどこか陶酔しきった焦点の合わぬ様子なのだから。
だが、そんな変態熟女を見ながらも、あえて和美達は妖しく瞳を交わし合い、不気味に
ほくそ笑むだけで、何も語らなかった。

そう、、あえて余分な言葉など、もはや必要など無かったのである。
露出の、、自虐の悦びに目覚めてしまった真佐美の行為は、止まる事を知らぬかの様に、日々、過激さを増していったのだから。

例えば、帰宅中の通学路の生徒の後に現れたかと思うと、背後から小走りに近づき、
追い抜き様に突然、前に立ちはだかり、いきなりコート前面を開き全裸御開帳。
というある意味(?)正当な露出狂プレイ。

やがて、コートの胸元抑えていた指先が、自らの豊満過ぎる乳房を愛撫し始めるのは、
ごく普通(?)の展開であったし、その指先が股間へと伸びるのもまた、時間の問題であった。

そう、今や、真佐美は誰からも命じられぬのに、白昼の路上でどううとオナニーに耽る事まで出来る程、
その心身に妖しい悦びを覚え込んでしまったのである。

そして、そんな路上で自慰に耽りながら徘徊すらしてしまう変態熟女が、新たな段階(?)へと進むのまた、当然であった。


ある日の下校時。
なにやらヒソヒソ話をしながら下校する女子高生たち。
話題と言えば、当然であるが、最近学園近辺で出没すると言う露出狂熟女のことである。

「ホンとに居るのかなぁ、、そんな変態、、、」
「1組の絵美は見たってよぉ、、ほんとに素っ裸だったって、、」
「うっそぉぉ、、変態って言うか、気違いじゃん、、それって、、」
「なんか、怖くない?、、、いきなり素っ裸って、、つか、、ヤバ過ぎ、、、」
「その角、曲がったら居たりして、、、」
「ひゃぁ〜〜、やめてぇ、、それ、怖過ぎるっつぅのっ!!」

などと盛り上がる少女達であったが、そんな心配は無用であったのだ。
なぜなら、ソレは自ら、その彼女達の目前の路地の角から突然に現れたのだから。

しかも、それは噂以上のモノであったのだから。

そう、、、それはなんとコートどころか、最初から全裸、全くの素っ裸でいきなり角を曲がり、
無言のまま、少女達の方へ疾走してきたのだ。
裸身を覆うのは顔面の、デカサングラスとマスクのみ。
やや、弛み垂れた身体に鞭打っての疾走は、もちろん、卑猥ではあるものの、ある意味迫力満点でもあった。

巨大な乳房はぶるんぶるんと、まさに胸元から千切れ飛ばんばかりに大きく白く波打ち、
垂れ始まった尻肉もまた、たぷんたぷんと揺れ弾んでいる。

そして、目にしたものの、とても現実とは思えぬその光景に、ただ呆然と立ち竦む、自分の学校の生徒達を尻目に、
走り抜ける真佐美もまた、とても、これが現実と思えないでいた。

これまでは、まがなりにも衣装を纏っていたのだが、今や、遂に顔だけ隠しての、全くの素っ裸、
全裸で白昼の路上、それも自校の生徒の前を走っているのだ。

しかし、この言わば、極限の露出プレイに興奮しきっている真佐美の視界は、そして脳裏はすっかり
妖しいピンク色のベールに包まれてしまい、ただ、うっとりと足元をふらつかせながら、少女達の横を走り抜けて行った。



最終章 1−10 へ 


最終章 1−12 へ 


田沼先生の世界Topへ