新たな生贄03-01



もはや完全に我れを忘れ、欲情に潤んだ瞳で少年の股間をウットリと見つめる真佐美。
その様はもはや知的な理事長ではない、ただ『牝』の本能に狂う獣そのものであった、、、、、
『あぁぁ、、、す、スゴい、、あんなにナっちゃってる、、、、、』

そして、遂に自ら破滅への道を真佐美が辿ろうとした、、、まさにその時、、、、
『ストォーーップゥゥッッ!!真佐美先生、ヤリ過ぎ、ヤリ過ぎっ!!』
自分たちで煽っておいておきながら、ブース内の異様な雰囲気を察知した少女たちが、イヤフォン越しに
慌てて、真佐美を制する。

『、、、、!?、、、、、!!、、、な、、なに、、私、、なに、、を、、、、なにを、、、』
中断された思考の中、思わず我れに還った真佐美は、自分がとっている、そのあまりに扇情的なポーズに
気付くと、頬どころか、耳まで真っ赤に染めて、慌てて立ち上がる。

「じ、、じゃぁ、、田中君、、、あ、後で、後から、細かい事は、連絡するわね、、、そ、それでは、、」
自分のしでかした行為に錯乱する真佐美は、大慌てで、まさにとって付けた様な説明をすると、そそくさと
その場を引き上げる。

もし、それ以上ここに、いたら、、、、、いたら、、、、
『じ、自分から、、自分から、、、、』
あぁぁ、、なんと言う事を、、何と恥しらずな事を、、、いったい、いったぃ私はどうしてしまったのだ、、、
まさに消え入りたくなる様な後悔に襲われながら、ふらつく足でなんとか廊下へ出る真佐美。

そして、その熟女を待ち構えるのは、この全てを画策した、あの悪魔の様な少女たちである事は
もはや、言うまでもない。

いったい、どうやって校内を移動したのか、、、、、
そんな事すら覚えていない真佐美は、今、ぼうぜんと理事長室のソファに座り込んでいる。
そして、その対面には盛り上がる少女たち。

「うふ、理事長先生、御苦労様、、うふふ、田中君、もぅ、メロメロね、、」
「ホント、きっとバッチリよ、絶対、誘ったら来るわね、、間違い無いわ。」
『あぁぁ、い、言わないで、、、そんな、こと、、言わないで、、、』
「、、、そ、、そんなこと、、ないわ、、、ウチの生徒に限って、、、そんな、こと、、、」

そんな反論、、もはや口にしている真佐美すら、信じてはいない、、、
あの今にも火が着きそうに熱い少年の身体、、、、、
そして、なにより、、、、もし、、あのまま、、あそこにいたら、、、、、、、
いかに命じられたとはいえ、とってしまったあの自身の行動に自ら信じられぬ思いの真佐美。

そんな真佐美を尻目に、相談しながら少年へ送る、お誘いメールを作成している2人。
「ねぇねぇ、真佐美先生、待ち合わせの場所、どこがいぃ?」
「いぃトコないなら、ここにするけど、、ねぇ、、聞いてる?ホント、ここにしちゃうよ?」
「、、、!?、、!!、、、ま、、待って、、ちょっと、待ってっ!?、、、」

茫然自失の真佐美であったが、少年へ送るメールの待ち合わせ場所を、よりにもよってここにすると聞き、
思わず、大慌てで否定する。

来たら、、、来たら、、、シなけらば、、ならなぃ、、、よりもよって、、学校で、、、生徒、と、、、
破滅である、、、もし、、、万が一にでも、、、バレたら、、、破滅ではないか、、、、

「、、お、お願い、、ゆ、許して、、それだけ、は、、許して、、、、」
もはや、恥も外聞もない、、、自身を凌辱し、大切な娘家族を拉致した様な憎い相手にも拘わらず、
涙目となって哀願する真佐美。

「えぇ、、、今更ぁぁっ、だって、先生、もぅ、田中君に言っちゃったじゃない、、、、」
「そぉそぉ、それも、あんなにサービスして、、あれで、『実はウソ』とか言ったら、、、、」
「うぅーーん、、教師として、如何かと思います。、、、、なんってね、、、、」

ネチネチと遥かに年上の熟女を嬲る和美達。
追い詰められた真佐美は、回らぬ頭で必死に校内を思い出し、なんとかある場所を捜し出す。
「、、、、じ、、じゃぁ、、よ、、用務員室、、、校舎裏の、用務員室って、書いて頂戴、、、、」
「へぇ、、、ようむいん、室、、、、ようむいん、、、、って、、なに?、、、」

確かに、今の女子高生には聞き馴れぬ言葉であろう。
だが、そんな事の説明をする気にもならぬ真佐美は、とにかくそう書けば判ると押し通す。

『、、そ、ぉ、、あそこなら、、あそこなら、、誰も来ないし、、知られても、いな、ぃ、筈、、』
それはもぅ、大分前に使われなくなったものである。
今は、近代的な遠隔監視で警備会社に依頼しているが、この学校も設立当時は雑務及び宿直夜間警備担当に
初老の男を用務員として雇っていたのだ。

そして、その宿泊施設として校舎裏の片隅に小さなプレハブの宿泊施設があったのだ。
だが、もぅ、何年も前に用務員自体いなくなり、使われなくなって久しい。
今の今まで、そんなものがある事すら、自分でさえ忘れていたほどである。
おそらく、生徒の中にはそんなものがあることすら知らずに3年間過ごす者が大半であろう。

『、、あそこ、なら、、大丈夫、、大丈夫だ、わ、、、』
そうやって、懸命に自分を納得させる真佐美に、次の質問が飛ぶ。
「じゃぁ、時間は、、、なんだったら、今晩にでもしちゃぅ?、、うふふふ、、」
「、、ち、ちょっと、ちょっよ待ってったら、、、あぁ、、時間、、時間、、は、、」

だが、次から次の質問に、混乱する真佐美を尻目にさっさと提案する由佳。
「そぉねぇ、次の金曜、、それもかなり遅い時間、夜の11時頃なんて、どう、、、そうすれば、今日まだ
 月曜で大分先だから、ひょっとしたら田中君も頭冷えてるだろうし、そんなに遅くだと、また、
 ひょっとしたら門限で外出出来ないかもしれないし、、、」

「あら、それ、良いわね、、でさ、こう書いちゃお、『来ないならもぅ誘いません。』ねっ、こう書けば、
 真佐美先生も安心でしょ。そこで待つのは一回こっきり。来なければそれで全部おしまい、ねっ。」

だったら安心でしょ。とばかりに言う少女たちに負け、同意する真佐美。
『、、そ、そぅ、よね、、そんな夜遅くなら、、、それに、そうよ、その時だけ、、その時だけよ、、』
そう懸命に自分に言い聞かせる真佐美。
だが、そんな真佐美を尻目に、少女たちは確信していた。

『バッカねぇ、、あれだけ誘惑されて、行かないなんてありえないでしょ、、、』
『田中君、例え何があったって、絶対に行くに決まってるじゃなぃ、、、』
ほぼ同時に同様な事に思い当たった2人が、妖しく瞳を交わす中、対面に座る真佐美は、その僅かな
期待に縋るかの様に、ぶつぶつ呟いていた。

「、、、そぉ、よ、ありえないわ、、高校生が、深夜に、見ず知らずの女と、なんて、、、」
もはや、自分に言い聞かせている様なその台詞に苦笑しながら、出来上がったメールの文面を見せる2人。
するとそこには簡潔に、、、どころかそっけなく、
『金曜日夜11:30、校舎裏用務員室』
とだけしか書かれていないではないか。

そのあまりな内容に、思わず少女たちを見直す真佐美だが、訳知り顔で得々と説明する和美に、思わず
安堵のため息すら漏らしかねぬ真佐美であった。

「どぅ、たったこれだけ、フリーメール経由だから誰から来たかも判らないメール。これだけよ、これだけ。
 たったこれだけのメールで、わざわざ深夜、ノコノコ来ると思う?だから、これくらいが良いのよ。」
「だから、先生も、極力、金曜日まであいつとは会わない様にして、これ以上の情報を与えない様にする事。」

そして、
『うふふ、じゃぁねぇ、、楽しかったわ、真佐美先生、さようならぁっ!!』
と、あっけない程に軽いあいさつで退室していく少女たち。

後には、ただ、あまりの事態の急変についていけず、ぼうぜんと取り残される真佐美が1人、
静まり返った理事長室に取り残されるだけであった。





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