新たな生贄02-03



主のいなくなった理事長室。
だが、妙にハイテンションな少女達の行動は止まることを知らなかった。

「ねぇねぇ、、面談室ってなにかなぁ、、、」
「ひょっとして、、あれ、、じゃなぃ、、、則子?」
「、、、、?、、、!!、、えぇ!?、、うっわぁぁっ、、チョーあり得る、、、」
「ねぇ、確認してみなよぉ、、、」

そんな少女達のやりとりの最中、何かピンツと来たのか、静観する和美達を他所に盛り上がる一行。
そして、取り出した携帯で、相手が出ないのを確認した少女は、うんざり、と言う表情で報告する。
「げぇぇっっ、、大当たりぃ、、出ないしぃ、、、多分、、面談室よ、、あいつぅ、、」
「うっわぁぁっ、、則子可哀想!!、って言うか、田中君、理事長先生にまで相談しちゃうのぉ!?」
「、、、げぇぇっっ、、それって、サイテーじゃなぃぃ、、」

そんな盛り上がりを見せる一行に、興味津々の和美達も思わず身を乗り出して尋ねる。
「ねぇねぇ、、何、教えて教えて?」
「えっ、、うん、、じゃぁ、教えるね、、あのねぇ、、、」

何も考えず和美達に言ってしまった少女達、、、、、悪気はないのだ、、、悪気はないのだが、、、、、
労せずして、真佐美を嬲る、新たなネタを仕入れる事が出来て、内心大喜びの和美達は、更にそれを
発展(?)させるべく、少女達にトンでもない提案をする。

「ねぇ、、その面談室って、、、なんとかならないかなぁ、、、」
「、、なんとかって、、、えぇ、、、聞いちゃうのぉ!?」
「うんっ、、だってぇ、、もし、ソレだったら、理事長先生、どう答えるか、知りたいと思わない?」
「う、、うぅ、、うーーんんっっ、、まぁ、、、則子、、どう思ぅ?」

なんと、盗み聞きの提案に、さすがにヒいてしまう一同は、(おそらく)当事者の片割れであろう、少女に
問題を丸投げしてしまう。

そして、いきなり、一行から注視されてしまった少女であったが、自分を見つめる周囲の表情が、明らかに
『盗み聞きしたいっ!!』と物語っているのに気付くと、やはりKYの評価を嫌がる現代女子高生、
同意せざるをえなかった。
「えっ!?、、、うーーんっ、、私は、、別に、、いぃけど、、、」

だが、その少女は、周囲とはまた別の思いもあった。
あの少年、、、自分が身体を許したあの少年が、あの自分も憧れている美貌の熟女と個室で、いったい
どの様な事をしているのか、、、、、、控えめに言っても、、、、とても興味があったのだ。
そぅ、、それは、幼いとは言え、立派な女であるところの、、嫉妬心、、、であったのかもしれない。


そして、そんな問答の後、理事長室を後にして、密かに真佐美先生の後を追う少女達であった。

こっそりと面談室へ入る一行。
そこは大きめの会議室の中が、いくつかのブースに別れる形をしており、確かに隣のブースへと入れば、
目的の場所の会話など、丸聞こえも同然であった。

もちろん、面談室自体、施錠が出来るのであり、本来であれば、その様に生徒との個人面談の際、
陶然の如くに第三者の入室を妨げる為、いわゆる最近で言うところのプライバシィーやら個人情報保護やらで
施錠するべきなのであろうが、
真佐美のカギのかけ忘れであった、、、、、

まぁ、和美達の突然の来訪に、正気さえ失い兼ねない今の真佐美に、それを期待する方が酷であろう、、、

そして、、、、こうして何の問題も無く、目的地にたどり着いた一行。
隣のブースからは、なにやら切実に訴え掛ける少年の声、、、、、
そして、さかんにそれを宥める熟女の声が聞こえている。

そして、苦もせずにその目的の内容、、、、、
悩める青少年の、秘められた相談を把握出来た少女達であった。


把握したのは良いのだが、、、、、、、、、
しばしの後、、足音も荒々しく廊下を進む女子高生が1人。

「!!、、、、フンッ!!、、バッカじゃなぃの、、信じらんないっ!!」
「まぁまぁ、、そんなに、、、」
「だって、、、あんな事、、人に、、相談するぅっ!?、、なに考え」
「いや、何も考えてないだろ、」
憤懣やるかたない。といった感情剥き出しの則子の愚痴であるが、すかさずノリ突っ込みをする周囲。

だが、当の本人にしてみれば、とてもではないが、ネタにする気にもならず、真っ赤になって憤慨しながら
歩み去って行く。
「あっちゃぁぁ、、、」「悪乗りし過ぎ、、、」
「ごめん、今日は解散、、でいいかなぁ、、ちょっとシャレにならないんで、宥めてくるわ、ウチら。」
「えぇっ、イィわよぉ、こっちも、もぅ、帰るから、、じゃぁ、また、メール頂戴ねぇ。」

足音さえ荒げて去る則子を追いかけるのに夢中な少女達は、来訪者である和美達へのあいさつもそこそこに
その場を去っていく。

だが、、、、残された2人の来訪者は、思いがけずに仕入れることが出来た新たなネタ、それが更に補足、
いや、強化出来た事で、まさに満面の笑みを浮かべながら頷き合うのだった。
「うふ、やっぱり来てよかったわねぇ、、、」
「うんっ、大収穫、、、さっすが真佐美先生、、おっもしろいわぁっ!!」

そう言いながら、妖しい光りを浮かべた瞳を交わし合う2人の少女は、先程の約束に反し、そそくさと
理事長室へと戻るのであった。


そして、一騒動去ったあと、疲れた足取りで自室へ戻ろうとする真佐美が一人、校舎の廊下を進んでいた。
『あぁ、、、なんで、、なんで、こう、次から次へ、と、、、、』
疲労の原因は、もちろん、遂にここまで来てしまった、あの二人の悪魔少女達であったが、それ以外にも
たった今終えた、悩める青少年からの相談にもあった。

面談室で一人、苦悩の表情を浮かべる少年。
その深刻な面持ちから、悩みの深さが十二分に伺え、それは自身が今抱えている深刻な悩みする忘れさせる、
そう、教師としてのプライドを蘇らせるほどのものであったのだ。

『あぁ、、いけない、、真佐美、今は、今はしっかりするの、』
そう、自分を叱咤して優しく声を掛けた真佐美なのだが、、、、、



『、、、、なんで、、なんで、男の子って、、、男って、、あぁ、なの、、、』
まさか、、、、あんな下らない内容で悩んでいたなんて、、、、、、
しかも、それを自分に相談するなんて、、、、、、

色々と拙い表現で、真佐美に対して遠隔に訴えた田中君だったが、、、ようするに一言で言えば、、、、、

『則子がヤらせてくれないんです。理事長先生、いったいどうすれば良いでしょう?』

その悩みのあまりのバカバカしさに、思わず、理事長室で待つあの悪魔少女の事も、拉致されている娘家族の
事も一瞬忘れてしまう真佐美。

『し、知らないわよっ!!バカバカしぃっ!!自分で処理すれば良いでしょっ!!さっさと帰りなさいっ!!』
どれだけ、そう罵ってその場から退席したかったか、、、、、、
しかもそれだけではないのだった、、、、、、

『先生からも言って下さい。だって、先生だってあの時言ってましたよね。『避妊すればヤって良い』って。』
『、、、そ、、、あ、あれ、は、、ち、違う、、ダメだわ、全然、、全然判って無い、、、、』

その悩める少年の発言の続き、若者特有の、いかにも自分流に都合の良い解釈で一方的に思い込む発言を聞き、
思わず絶句すると共に脱力を堪え切れぬ真佐美。

そして、突然に思い出されるあの凌辱の記憶。
血走った目で、自分を押し倒し、夢中になってカクカクと腰を振りながら、獣の様に呻いては、ただ一方的に
体液を放出するだけの少年たち、、、、

この目の前の苦悩(?)する少年も、結局、あの獣の様な少年たちと一緒なのだ、、、、、
そんな悩みとはまさかにも思わず、そんな相手に、一瞬でも深く同情してしまった自分、、、、、、

だが、、、やはり、自分は教師なのだ、、、、、、、あまりの情けなさに嘆息すら抑えられぬ真佐美であるが、
それをなんとか堪えて、田中を宥める、、しか、ない、、、、、
『さっさと帰りなさい、先生、それどころではないの、二度とこんな下らないことで呼び出さないで、、』
っと喉元どころか、、口先まで出かかる、、、の、、だが、、、、

そんな痛烈な宣告を辛うじて抑えたのは、やはり教師としての自覚、使命感であったのだろう、、、、、

そう、、もはや、120%の使命感、義務感のみで田中を宥める真佐美。
『いくらなんでも、先生から彼女に依頼は出来ない、出来ないけど、、なるべく親身に話位はするように
 伝えておいてあげる、、、、』
っと、まぁ、いわゆる『前向きに善処、検討致します。』の官僚用語、、事実上の拒絶をする真佐美であった。

それを聞き、さすがに落胆は隠せぬが、それでも少しは話が出来て落ち着いたのか、どうにか相談を終え、
退室していく、田中であった。

そして、自室へ戻る途中、先程の少女達とすれ違い、
『あっ、先生、お先に失礼します、あとあの子達も、もぅ帰りましたから、、それじゃぁ、、』
と、言いながらそう説明していく、一人の少女。
なにやら、他の者がニヤニヤと不気味な笑みを浮かべていた様であるが、『あの子達』と聞き、思わず
身構える真佐美はそれに気付かない。

まして、まさか、先程の悩める少年との面談が彼女たちに知られているだなど、思いもよらぬ真佐美である。

そうして、ドッと疲労する身体でどうにか理事長室に戻った真佐美だが、そこに待ち構えていたのは
帰ったと聞かされていた和美達であったのは言うまでもないことであった。

「うふふ、お帰りなさい、理事長先生。」「だいぶ、お疲れの様ですわねぇ、、、うふふふ、、」
不気味にほくそ笑む少女達に気付いた真佐美は、まさに全身から血の気が引くほどの衝撃を受けてしまう。
だが、そんな内心の恐怖を必死に堪え、果敢にも立ち向かう真佐美。

「、、あ、、あなたたち、、、いったい、、何なの、、何の用なの、、、、帰って、、帰りなさいっ!!」
だが、そんな怒りに燃える美熟女も、先日の凌辱劇に最中、多くの少年たちから悶絶させられていると言う
事実を知り抜いている2人にとっては、まさに虚仮威しにもならなかった。

「えぇーーっ、、そんなぁ、、連れないこと言わないで下さいよぉ、、真佐美先生、、、」
「私達と真佐美先生、、、もぅ、仲良しじゃないですかぁ、、、」
『クッ、、、い、、いったぃ、、どこまで人を小馬鹿にすれば、、、、』
その、あまりにもわざとらしい答えに、思わず恐怖も忘れ、怒りすら覚える真佐美。

「帰りなさいよっ!!、、さもないと、、、さもないと、、、、」
「えぇーーっ、、どうするんですかぁ、、ひょっとしてぇ、、警察ですかぁ、、、、」
「うわぁぁっっ、、そんなぁ、、生徒間の不純異性交遊だって認めている真佐美先生なのにぃ、、、」
「でも、理事長先生って大変ですねぇ、、男の子の『彼女とヤリたい』なんて相談まで受けるなんて、、」

憤慨する真佐美を嘲笑するかの様な少女達は、なぜか、つい先程の生徒とのやり取りまで把握しているようで、
すかさずそれをネタに振ってくる。

だが、まさかにも盗み聞きされていたとは思わぬ真佐美は、思わず絶句してしまう。
「!?、、あ、、あなた達、、なんで、、そんなことまで、、、」
「えぇーー、、だってぇ、、面談室、鍵も掛かってませんでしたよぉ、、、」
「ちょっとマズいんじゃありませんかぁ、、理事長先生ともあろうお方がぁ、、生徒が大事な話を
 するかもしれない面談室に鍵も掛けないなんてぇ、、、、」

どう考えても、勝手に忍び込み盗み聞きした方が悪いのだが、そんな論理のすり替えも本来、他人に厳しい分
それ以上に自分にも厳しい真佐美にとって、思いの外効果はあったようだ。

「、、、、え、、そ、、そんな、、、だって、、、、」
そぅ、、いつもであれば、そんな施錠の様な些細であるが肝心な事も見逃さぬ真佐美であるが、
いかんせん今回は状況が悪すぎた、、、、、、

そして、何げなく口にした台詞に思いの外効果があったのに気付いた少女達は、途端にそこを責め始める。
「うわぁ、田中君もお気の毒、、せっかく内緒に理事長先生に相談しようと思ったのに、、」
「彼女にまでバれちゃってるなんてぇ、、、あぁーーぁっ、信頼関係台なしねぇ、、、」

更に明かされる衝撃の事実に、思わず聞き直してしまう真佐美。
「、、、な、、なんて、、今、なんて、、彼女って、、まさか、、、まさか、、、」
「えぇ、そぅ、田中君の彼女、『則子ちゃん』も一緒に聞いてたわ、、、しっかり、、全部ね、、」
「傑作よねぇ、、『先生、則子ちゃんがヤらせてくれないんです、、助けて下さい』っだけ、、、」
「ホント、傑作過ぎて、ちょっと気の毒なくらいだわ、、、」

そこまで言うと、顔を見合わせながら大爆笑する2人。
だが、真佐美はもはや笑うどころではない、、、自分のしでかした過失が思わぬ事態を巻き起こし兼ねない
事実に、愕然と打ちのめされる真佐美。

「、、そ、、そんな、、、そんな、、、あぁぁ、、どぅ、すれば、、、」
自分の不注意で、あの恋人達に致命的な亀裂を生じさせたかと思うだけで、生来が生真面目な真佐美は
いても立っても居られなくなる思いなのだ。

はた目から見ても、動揺している真佐美を冷たく見つめる2人は、妖しいく瞳を交わし合う。
『うふふ、動揺してる、、動揺してる、、』『、、えぇ、、そろそろね、、、』
「うふ、でも、安心して、真佐美先生、、則子の方は私達がしっかりフォローしておくから。」
「、、、、え、、、えぇっ!?」

その思いも掛けぬ和美からの助け舟の如き発言に、相手が、あの憎んでも余りある少女にも拘わらず、思わず
縋り付く様な視線を向けてしまう真佐美。
するとすかさず由佳も、芝居がかった仕草で胸を張りながら断言する。
「まかしてよ、、さっきの会話、聞いてたでしょ、もぅ、私達、大親友なんだから、、、」
「うふふ、でもぉ、、真佐美先生にも、、、ちょっと協力して欲しいかなぁ、、、うふふふ、、」

そんな不気味な笑みと共に、真佐美を見つめる二人。
だが、自分の失態を償えるならば、、、と、それにも気付かず、思わず同意してしまう真佐美。
「、、な、なに、何をすれば良いの、、教えて、、教えて頂戴っ!!」

だが、その縋り付く様な真佐美の質問に、次第に本性を現わしていく2人。
「、、そぉねぇ、、だから、、則子はウチらが上手くフォロー出来るけどぉ、、、」
「問題は、、『田中君』よねぇ、、、」「、、そもそも、、その子が『おサルさん』なのが問題な訳だし、、」
「、、、、だからぁ、、、真佐美先生、、、『田中君』とヤッっちゃえばぁ。」

勿体ぶったあげく、いきなり、とんでもない事を平然と言い始めた2人に、一瞬何の事か把握出来ぬ真佐美で
あったが、意味を理解した途端、そのあまりの内容に思わず声を荒げて反論する。

「、、??、、、!?、、、!!、え、、えぇっ!?、、、そ、、そんなコト出来る訳ないでしょぉっ!!」
バカバカしぃ、、そのあまりにもばかばかしぃ提案に真っ赤になって憤慨する真佐美。
だいたい、なぜ、自分が自校の男子生徒に抱かれねばならぬのだ。
そんなふざけた提案を持ち出す様な2人の話に、一瞬でも真面目に耳を傾けた自分にさえも腹立たしい。

だが、そんな真佐美の憤慨を他所に勝手に盛り上がる和美達。
「えぇーーっっ、、だってぇ、、真佐美先生が『ヤッても良い』って言ったんでしょぉ、、」
「うふふふ、、自業自得よねぇ、、、」
「、、バカバカしい、、、いったい何を言い出すかと思えば、、」
『そんなこと、絶対言ってなどいない、、、言ったとしても、、だからと言って、なんで自分が、、、、』
そんな考えるにもバカバカ提案、一蹴する真佐美であるが、当の和美達は全く別の角度から再び提案してくる。

「うふ、でも、別に私達だって、いきなり田中君に『先生とエッチしましょ』って言えなんて言わないわ。」
「ちょっと、聞いて見れば良いじゃなぃ、、、」
「そぉねぇ、、、例えば田中君を呼び出して、、『ホントにエッチしたいなら、知り合いがいるわ。』って」
「『ただ、ちょっと年がイッてるの、、、でも、もし、私と同じ位のオバちゃんでもいぃなら』、、、って」

突然に、話の展開を代える和美達に、思わず呆然とする真佐美。
だが、ようするに自分にあの少年を誘惑せよ。と言っているのだと気付くと、血相を代えて抗議する。
「、、お、同じ事じゃないっ!!、、、そんな事、出来る訳ないでしょっ!!」
「あぁっらぁっ、全然違うわよぉ、、だって、あくまで誘うだけよ、、誘うだけ、、」
「田中君が乗って来なければ、全く何の問題もないじゃなぃ。」
「ちゃんと言えば、大丈夫よぉ、、『若くないのよ、先生と同じ位のオバちゃんなの』って、、」

「、、、そ、、、それ、は、、、で、も、、、、」
「うふふ、それとも、自分の所の生徒が信用できないのかしら、、」
「そぉよねぇ、、どうせ、男の子なんて、どの学校でも同じよねぇ、、、、相手が誰だろうと、、、」
「、、そ、そんな事ありませんっ!!」

自分だけではない、自分の学園の生徒まで侮辱するかの如き発言で、思わず相手の台詞を遮ってまで断言する
真佐美。
まるで、昼間の自分の思い、、『自分の学園の生徒は違う、絶対に違う』との考えを逆手に取ったかの様な
提案に、思わずムキになって反論してしまう。

するとすかさず揚げ足を取るかの如く、ネチネチと責め始める2人。

「なら、良いんじゃなぃ、、ねぇ、、、」
「そぉよねぇ、、自分の学校の生徒はどこかのおバカな『おサルさん達』とは違うわよねぇ、、うふふ、、」
「、、、、く、、、くぅっ、、、」
そんな2人の少女を悔しげに見つめる真佐美。

「、、、い、いぃわっ、、いぃでしょぅ、、ここの生徒達が、、あんな、、あんな子供達と、違うとい」
「やったぁ、さっすが『素敵な理事長先生』。じゃぁさっそく、、、」
あっさりと策に嵌まった真佐美に、その演説を聞きもせず、取り出した携帯を操作し始める由佳。

「、、!?、、、え、、えぇっ!?、、、」
その反応の素早さに、思わずたじろぐ真佐美であるが、冷たく冷笑する和美の妖しいほほ笑みに気付き、
自分が罠に嵌まった事にようやく気付く。

「うふ、『いいわ』って言ったでしょ、だからさっそくメールでお誘い、、さっき則子から聞いておいたの。」
「えぇーーっとぉ、、こんなモノかな、、、じゃぁ、送信っと、、」
「ち、ちょっと待って、、待ってっ!!」
さっさと送信しようとする由佳を慌てて遮る真佐美。

「えぇーー、、なによぉ、、」
「お、送る前に、見せて、見せて頂戴、会うのは私なのよ、、それくらいいいでしょっ!!」
「うわっ、疑ってる、マジムカつくしぃ、、、」
「うふふ、まぁまぁ、、いいわよ、、はぃ、真佐美先生、、、」
そう言って文面を確認した真佐美だが、、、、思わず拍子抜けする程の文面に安堵してしまう。

『田中君へ理事長です。
 さっきは、ちょっとそっけない対応でごめんなさいね。
 あれから少し先生も考えてみました。
 そこで、もう一度お話をしたいと思います。 
 二度手間で申し訳ないのだけれど、
 もう一さっきの面談室へこれますか。
       西川真佐美。』

「うふふ、どぅ、それなら問題ないでしょ。」
そう得意げに言う由佳に、悔しげに同意せざるを得ない真佐美。
そして、取り返した携帯で送信をさせると、先程以上に妖しく光る瞳で真佐美を見つめながら
ゆっくりと近づく少女達であった。

「うふ、じゃぁ、さっそく、こっちも準備しましょうね、、、真佐美先生、、、、」




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