三章 許されぬ(満ち足りた)日々 03
パートから戻った景子は、自分を迎えてくれた佳代の様子が、今朝とは一変している事、、、、
もちろん、何がどうとは、上手く言えぬのだが、明らかに違っている事に気付いたのは、景子が未だ年若く、
色々と未経験ではあるものの、やはり『女』であったからなのであろう、、、、、
命じられ、互いに望まぬまま、猿芝居の演技を続けていることには、まさにその全身で済まなそうに、
労ってはくれているのだが、、、、、、、その動き、いや、表情、、、視線?!、、やはり上手くは
言えぬのだが、そう、、どこかに、言うなれば『満足感』とでも言うさまなものを感じてしかたが
ない景子であったのだ。
しかし、その全ての原因、かおるを負傷させてしまったのが、誰あろう自分である事を知っている景子に
いったい何が言えるであろうか、、、、、
そんな景子に出来る事は、せめて、その『話題』には触れず、必死にパート帰りのかおるの母、佳代としての
演技を続ける事だけしかなかったのだ。
だから、夕食後、邪まな期待に頬を上気させたかおるが、『景子』を促して寝室へと向かおうとしても、
哀しげに瞳を逸らし、顔を伏せる事しかできない景子であった。
そんな、あまりに気の毒な新妻、景子に、聞こえぬかおるにさえ声を潜めて、詫びる佳代。
「、、あぁ、、ごめんなさい、、景子さん、、でも、、でも、、こうしないと、、、、」
「、、、、えぇ、、判ってますわ、、、お義母様、、へ、、平気です、、、私、、、、」
『そ、、う、これは、、罰、つまらぬ事故で恩人である佳代達母子を苦しめている自分への罰なのだ、、、』
そう自分に言い聞かせながら、自分も新たな寝室へと向かう景子。
なんと、あのアラフォーコンビは、悪辣な事に、景子の寝室を、二階の若夫婦の寝室の真下にあった空き部屋と
指定、夜は必ず、そこで就寝する事と厳命していたのである。
自分の横たわる、そのほんの数m上が、かつての自分の寝室、愛しいかおるとの言わば、愛の巣であった。
だが、、、今、そこから漏れ聞こえてくるのは、、、、実の母と息子の交わりなのだ、、、、
音だけではない、、、天井にきしむその音は次第に激しく大きくなっていく、、、、、
そして、やがて天井越しではない、邸内に響き出すのは、そう、、実の息子の極太に犯され、貫かれ、
まさに悶え泣きながらも、立派に『女』をしている母、佳代の声なのだ、、、、、、
そのあまりに惨めな境遇に、ひとり涙で枕を濡らす景子であった。
だが、そんな言わば狂った家族関係は翌日も、そしてその翌日も続いて行く、、、、、、
次第に焦燥し、まるで抜け殻にでもなって行くかの様な景子、、、、、、、、
それとは対称的に、ふんだんに若い精をまさに溢れんばかりに注がれ、まるで若返ったかの如くに、
素肌からして艶やかになっていく佳代、、、、、
許されぬ関係であると、理性では感じながらも、哀しい『女の性』は若々しくも逞しい『男』に貫かれ、
愛されてしまう事により、間違いなくその『身体』はそれを悦びと共に受け入れ始めていたのだ。
そして、そんな淫靡な日々が始まって数日、もはや笑顔など浮かべる気力すら枯れ果てた景子が、ただ、
機械的にこなしていたパートの仕事を終えて、帰宅する途中、待ち構えてでもいたのか、久々にあの
アラフォーコンビがその目の前に現れた。
しかし、かつて同じ社内で働いていた、その若さ溢れる健康美に満ちた景子の今の様子をまざまざと
見た2人は、そのあまりの変貌振りに、驚きの声を上げずにはいられなかった。
「あら、景子さん、、、久しぶりね、、、、って、、、あんた、、、大丈夫?!」
自分をここまで追い込んだ本人のくせに、今更『大丈夫』も無いものだが、思わずそんな声を掛けずには
いられなかった程に、景子の様子はまさに抜け殻の様に憔悴していたのであった。
しかし、その心配の傍ら、そんなやつれた景子を見て、どうやら着々と予定通りになっている様だと、密かに
ほくそ笑んだ2人は、景子を案じる振りを見せながら、寄り道を提案する。
「それで、、、ちょっと、あなたに見せたい『もの』があるのよ、、、大分お疲れの様ですし、、、
少し休憩がてら、付き合ってくれない。」
「それに、、、どうせ帰っても、あなたも辛いだけでしょ、、、、、、」
そう言いながら、妖しく瞳を交わし合う2人は、そんな不審な提案にもあっさり同意する、と言うか最早
反論する気力すら失われてしまったかの様な景子を伴い、密談場所(?)として準備しておいた、小さな
ビジネスホテルへと移動する。
そこで、いったい何事があったのか、、、、、、、、、、
しかし、ほんの1〜2時間ほどしかそこには居なかったのであるが、そこから一人出てきた時の景子の姿、、、
それは、まさに別人、、、、まさに何物かに取り憑かれたかの如く、ギラギラと瞳を光らせてた、、、、、、、
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