05−01 


『、、、、なんか、、、変、、、最近、、、ママも、、、二朗も、、、、、』
今も母である美咲はパートで出掛け、弟の二朗は遊びに出掛け、一人真面目に自室で勉強をする美里であるが、
最近の家の中に微妙な空気の違いにやや戸惑いを隠せなかった。

勿論、何が変、、と言う訳ではない。
弟の二郎は相変わらず可愛い子供だし、母である美咲ともまるで姉妹の様に仲良く過ごしている。
それはそれで良い、、良いのだが、、、、、、、3人揃うと、なぜだか微妙な空気が流れるのだ。

うまく表現は出来ないのだが、、、例えば、、妙に最近、二朗の態度が母に対してのみ、尊大、、とまではいかないがどこか図々しい、、、
そして、母、美咲は逆に妙に二朗に謙っている様な、、、、いや、どうかすると『媚びている』とは言い過ぎであろうか、、、、、、
どうも、そんな気配すら感じられるのだ、、、、、

食事の際にも、、、
『ねぇ、二朗、こっちも栄養あるわよ、、、、ほら、、こっちも、、、、』
って、子供じゃ、いや、まだ子供であるが、、、、そこまで世話をしなくても、、、、、と甲斐甲斐しく世話をする美咲。
そして、それらをペロリと完食してしまう二朗を見つめる際の母のその瞳、、、、、、、

そう、、、それはもはや、息子を見る母の目ではない、『男』を見つめる『女』の目であったのだが、
未だ性体験の無い美里には、それを『怪しい』とは思えても『妖しい』とまでは見抜けず、無理やりな解釈として、
例えば、何か美咲と二郎の間だけに何か秘密がある様な、、、、と思う美里であったが、3人だけしかいない、
掛け替えの内自分たち家族の間にそんな哀しい事など有り得ない。と懸命に打ち消す美里である。

そんな時、、、、
「ただいまぁっ!!」「ただいま、、、」
どうやら外出組のご帰宅の様である。

何となく妙な予感がした美里は、玄関へと向かうのだが、やはりそこに居た母子、並んで室内へと入る美咲と二郎の様子が妙に感じられる。
「、、、あ、ら、、どうしたの、、、、美里、、、、」
「、、うぅん、、、ママ達こそ、、、一緒だったの?」
「、、、!?、、え、えぇ、、いや、違うわ、、、、偶然、表で一緒になっただけよ、、、、、、」
と、やはり妙な応対の美咲。

いよいよ不信感の募る美里が、更に質問をしようとしたその矢先、それに先じるかの様に美咲の方から妙に改まって声を掛けてきたのは
その時であった。
「、、、、あぁ、、、、美里、、、、、ちょっと、、お話があるの、、、、、」

04-04へ

05-02へ




オリジナルの世界Topへ

Topへ