01-02

「ほ、本当に不自然じゃないですか、、、、」
「あら、何言ってるの、全く、どこからどう見ても普通の中学生にしか見えないわよ。」
「、、、、そ、そうですか、、、、、で、、でも、、本当に、、こんな格好じゃないと、、、、」
「えぇ、先方の強い希望なのよ。それにあなたも了解したでしょ。」
「、、、それは、、、そうですが、、、、」

事務所の社用車である大きめのワゴンの後部座席で話し合う熟女と美少女(?)。
熟女は社長である紀子その人であるが、傍らの美少女(?)は、、、、

格好はごく、大人しい感じの清潔感に溢れる白のブラウスにショートパンツ。

自然な感じのロングヘアの茶パツをピンクのリボンでツインテールに纏め、健康的に日焼けした顔に、
やや大きめの黒縁メガネがとてもよく似合っている。

それは、ショートパンツから剥き出しに突き出た太ももがピチピチとした健康美に溢れる、清純そうな
女子中学生(?)そのものと言った感じに化けた美園春美、その人であった。

元々、超がつくほどに童顔であった春美がメイクによって更に若々しい感じに変身させられてはいるものの、
やはり何と言っても春美のその身長、、、140cmそこそこしかない小柄な身体で幼いファッションに
身を包めば、それはとてもい一児の母とは思えぬ見事な化けっぷりであった。
そして、更に、、、、

「あ、あと、春美さん、、、声、、、違うわよ、、、ほら、あなたの自慢の持ちネタじゃない。」
「、、、、は、、はぃ、、、んっ、、、あぁぁっ、、、んんっっ、、、春美ちゃんです。」
「うふ、そうそう、今日は一日その声で頑張ってね。」

持ちネタと言う訳でも無いのだが、このあいだ事務所で披露した様に、元々の地声であった甲高い声を
更に磨いた(?)いわゆるアニメ声での返事をする春美に、更にご満悦の社長。
しかし、30歳にもなろうとするその身で、中学生に化けさせられる春美は、内心、かなりキツく感じぬ
訳がなかった。

しかし、そんな春美の気持ちを読んだかの様に、そもそもの理由を改めて告げ、春美の決心を促す社長。
「ほら、そんな顔しないの、ちゃんと演技すれば紹介してもらえるのよ。そして認められれば、あなた、、」
そうなのだ、、、、こんな茶番みたいなお芝居であるが、それを相手に演じさえすれば、あの超大物
プロデューサーに紹介してもらえる、、、そして、もし認められ、曲を、更にバックアップしてもらえれば、
自分にも栄光の舞台への階段が開けるかもしれないのだ。

そして、次第に目的地である、日本有数のアミューズメントパークに近づきつつある車内では、社長が
最後のゲキを春美に飛ばしている。
「ほら、もう着くわよ、、、いぃ、、ここがあなたの正念場よ、、そして、あなただけじゃないの、 
 ウチの事務所の運命まで掛かってるんだからね。お願いよ、春美さんっ!!」
「は、はぃっ!!社長、私、、頑張ります。」

そして、春美の一日エセ中学生(?)が始まるのであった。



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