大家族の営み


02

自宅へと戻る際、大人数の為、急遽レンタルしたミニバンの車中での紗代からの説明によれば、、、、、

ボブはあちらでMBA取得の為に入った学校での同級生であり、幼くして病没した日本人の母と米国人の父を持ち、地道にキャリアを重ねてきた苦労人だそうだ。
そして、同じ様な境遇の2人が同じ目的を目指していて、深い仲にならぬ訳もないのだが、幸い子供達もすっかりなついているし、
物騒な米国でも母子家庭も米国人のボブの為何の不安もなかった。
と紗代はボブをベタ褒めなのである。

もっとも、若干1○歳の智代のみ、車内でもべったりとボブの横に寄り添いっぱなし。
『違うわよねぇ、、ボブのお嫁さんは私よねぇ〜〜〜〜』
等と言い続けているのが、若干苦笑気味であるのだが、、、、、

勿論、ボブ自身
『たしかに、トモヨも大好きだけど、トモヨと結婚したらボク、ケーサツに逮捕されちゃうよぉ、、、』
などと大人の対応(?)をしているのが、微笑ましくもある。

そして、ようやく自宅に到着した一行。
仮りにもそれなりの会社のオーナー社長を長年している雅代の家は、広大な庭に加え、一人や2人位泊まれるゲストルームなど
余裕で備えている。

そこでの娘家族も交えながらの久々の夕食は、雅代が自慢の日本料理を振る舞い、米国で紗代の手料理を食べていたと言うボブもまた、
見事な箸捌きと共に、その料理を絶賛するに当たり、その頃には雅代もすっかり新しいその家族の一員に馴染み始めていた。

そして、夕食後に、米国でのボブを交えた紗代たち家族のスナップ写真を、最新のスマフォを経由してリビングの大画面TVで
動画も含めて紹介するに至っては、子供達のはしゃぎ様など頂点に達していた。

『あっ、これ、みんなで○ィズニー○ンドへ行った時だよっ!!』
『ねぇ、ボブに自転車教えてもらった時の動画も見てもらおうよっ!!
『私とデートした時のが先よ、ねぇ、ボブ、カッコいぃでしょっ!!』

夢中になって言い合う孫達の様子と、それを目を細めて見守る紗代、そしてその傍らの青年、、、、、、
もはや、それこそ家族のスナップにほかならなかった、、、、

そして、そんな夕食後の語らいを終え、長旅の疲れかそろそろ子供達が居眠りし始める頃、ようやくお開きになる懇親会。
まずは男子チーム、智也と拓也の兄弟が眠い眼を擦りながら、紗代に促されてかつての子供部屋へと向かう。
そして、やはり初めての異国で疲れているであろうボブを先にゲストルームに案内した紗代がリビングに戻ると、
一人頑張っている智代も最早完全に船を扱いでいる始末。

「智代、、、あなたももう寝たら、、、そんなトコでうたた寝すると風邪引くわよ。」
そう呆れ顔で促す紗代であるが、最早自分も当家の女性陣のメンバーであるとの自負なのか、ひたすら頑張る智代。
「、、、、ま、、まだ、、眠くなんか、、ないわよ、、、ママ、こそ、、寝たら、、、私だって、、、お、話、、、、」
半ば以上寝惚けながらの口答えに、かつての紗代の気の強さの片鱗を見た雅代が、笑いながらも同意する。

「ほらほら、無理しないの、、ちゃんと寝ないと大きくなれないわよ、智代。大きくなってボブのお嫁さんになるんでしょ。」
すると『ボブのお嫁さん』の言葉に反応したのか、ようやく自室へと向かおうとする智代だが、あっちへフラフラこっちへフラフラと
危ない事このうえない。

そして、今度は雅代がお気に入りの孫娘の手を引いて自室へと案内していく。
すると、通りすがりに無人の筈の洗面所のドアがやや開き、中から明かりが漏れているではないか。
「あら、、変ねぇ、、誰か居るのかしら、、、、」
と、とりあえず智代を送るのにそこを通り過ぎる雅代が呟いた台詞に対して、返事を返す智代。

「えぇ?、あぁご免なさいおばあちゃま、私がさっき使って消し忘れたみたい、、だから誰もいないわ、、、、、」
「あら、、うふ、しっかりものの智代には珍しい、やっぱり疲れてるのね、、、いいわ、戻る時消しておくから、、」
そうして智代を部屋へ送り、先ほどの洗面所の照明を消そうとドアを開いた瞬間、、、、、、、

「、、、、????、、、、!!??、、!?!?!?!?、、!!!!!!!!!!! ヒッ、、、ヒィッ!!」
一瞬、目にした光景が信じられぬ雅代。
そう、誰も居ないはずのその洗面所には、なんと先ほどまで談笑し、今はゲストルームで寝ている筈のボブが一人、しかも
全裸で立っていたのだ。

だが、伊達に雅代もこの年まで過ごしてはいない(?)。
たかが男性の裸程度で驚きはしないのだが、、、、、、、、、

裸身のボブの股間、、、、そう、、、それは最早雅代の知識で判断出来る男性器の常識とは全く異なるモノだったのだ。
些かも勃起していなく、ダラリと下がっているにも拘わらず、その長さ、、、太さ、、、張り出したカリ首のごつさ、、、
文字通り、人間離れしたその巨大な魁夷に金縛りに会ってしまったかの様な雅代であるが、なによりも驚いた事は、
見られた筈のボブが、些かも悪びれず、いや、むしろ平然とこちらへ向き直り、更に笑みすら浮かべながらこう言ってのけたのだ。

「オォ〜〜〜〜、、、ソーリー、、、ママさん、、、、ソーリーねぇ、、、、、」
確かに雅代はネイティブではないのだが、おそらく誰がどう聞いても敬語の片鱗も伺えぬその口調、、、、、、
むしろ、この家の主である雅代の方が、赤面して慌ててそこを立ち去る際に思わず謝罪すらしてしまったのはなぜだったのだろう、、、、
「ご、、ごめんなさいっ!?!?、、だ、誰もいないと思って、、、、」

『、、な、、、なに、、、あれ、、、あんな、、、あんな、、、、』
心の中の声ですら形にするのにこだわる『大きい』と言う単語、、、、、
別段、、孤閨に悶々とする未亡人であった筈も無い雅代なのであるが、それにしてもその巨大さは衝撃的過ぎた。
『あんなので、、、紗代は、、、、はっ、、私、、、何を、、、、事故よ、、、ただの、事故、、落ち着いて、、落ち着くのよ、雅代』
そう懸命に自分に言い聞かせながらなんとかリビングに戻った雅代。

「、、、あら、、、お母さん、、、どうかしたの、、、、何か、、、、真っ赤よ、、、、」
「!!!、、、えっ!?、、、あ、、あら、、そぉ、、、べ、、つに、、、、へ、、変ねぇ、、、」
平静を装って戻ったものの、知ってか知らずか、あけすけに紗代から指摘され狼狽える事しか出来ない雅代。
まさか、娘の旦那となるであろう男性の性器を見て、顔を赤らめてしまった等と言える筈もない。

しかし、そんな雅代の気遣いを無にする様な出来事が、次の瞬間に起きてしまう。
『、、、あら、、、ボブ、、、忘れもの?、、、キャッ、、もぅ、、、ダメよぉ、、、、』
「!!!!!、、、、?????、、、、!?!?!?!?、、、!!!!!」
自分の後ろに人の気配を感じた雅代が、不吉な予感に襲われて振り向くのを躊躇ったその隙に、なんと紗代自身がその人物へと
あっさりと声を掛けてしまう。

そして、それだけではない、その人物、勿論、ボブは先ほどの事等まるで関係無いとばかりに雅代を無視して紗代へと近付くと、
『あぁ、忘れ物さ、、グッドナイトキスをね、、、、、、、、』
と言うと、なんと雅代の眼の前で激しい、いや激し過ぎるディープキス、いや最早ベロチューを音さえ立ててし始めたのである。

「んふぅっ、、うっぅぅ、、、んんんんん、、、むふぅ、、、はむっ、、、〜〜〜〜〜、、、んんんんんっ」
じゅぼぉ、、ちゅバババ、、、ぶちゅぅぅぅ、、、、
文字通り目の当たりにしながらも、その目の前の光景が信じられぬ雅代。
だが、その激しいキスは、今や間違いなく互いの唾液さえ飲まし合い、更には互いの舌先で口内、いや喉奥深くすら嘗め回しあっている。

そして、その果てしなく長いかの様に思える濃厚な口付けの後、
「、、あぁん、、、、はぁはぁはぁはぁ、、、あ、あぁ、、お、御休みなさい、、、お母さん、、、」
「オォーッ、ママさん、、ボクも、ママさんに☆GOODNIGHT☆ね、、ハハハハハッ」
それだけ言い残し、あっさりとリビングを去る2人の男女。
後に残されたのは、このほんの数刻の異様なやりとりが信じられず、ただただ呆然と立ち尽くす雅代だけであった。


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