小学校の同窓会-01



「、、、かおる、、」
「えっ?、、なに、、ママッ?」
「うぅん、、なんでもないわ、、、さっ、急ぎましょうっ、遅れてしまうわっ。」
「うんっ、、ママッ!!」

初秋の街中、上品そうな母と子の2人連れがいそいそと目的地に向かって歩いて行く。
いかにも育ちの良さそうな母親と、それとそっくりなこれまたおっとりとした感じの
息子、それは都内某所で煉獄の責め苦に喘ぐ、哀れな性奴隷に堕ちた春川母子の
2人であったのだ。

だが、なぜか今の2人からはとてもそのような無惨な境遇など想像も出来ない。
母である佳代夫人は、豪華さは感じさせぬものの、いかにも高級そうな和服で装い、
その清楚な雰囲気と相まって、まさに上流家庭の令夫人そのものといった風であり、
また、子であるかおるは、オープンシャツと黒ズボンと言う学園の制服姿であったが、
眩しいほどに光る純白のシャツとピンッと折り目の着いたズボンが、ノーブルな美貌と
似合い、これまたまさに目の覚める様な美少年ぶりであった。

そう、学園の奴隷へと堕ちた春川母子が、なぜかその悪夢の数ヶ月などまるで無かった
事の様に、以前同様の格好で出かけようとしているのである。

あの悪夢の様な級友達の家庭訪問の日、無理矢理に禁断の交わりを強制されてからの、
狂気の様な煉獄の日々、とても口に出すどころか、思い出すのも忌まわしい責めの数々、
そして見るだけで頬が染まる様な破廉恥な衣装しか許されなかった恥辱の日々、、、
それは今の母子の様子からはとても信じられぬほどの惨めな毎日であったのだ。

『あぁぁっ、、こんな日が、、こんな日が来るなんて、、、あれはきっと、夢、、
 悪い夢だったのよ、、、きっと、、きっと、こうやってかおると普通の毎日がずっと
 過ごせるわ、、、そう、、だいじょうぶ、、ぜったい大丈夫だわ、、』
秋晴れの陽光の中、かつての平穏な日々が蘇ったかのようなこの瞬間に、佳代夫人は
思わずあの悪夢の、狂乱の日々が、それこそ幻ででもあったかたの様に思い始めている。

『、、やっぱり、、ハッキリと言ったのが良かったんだわ、、、そうよ、、先生がたも
 判って下さったじゃない、、、始めから、、始めからハッキリ言うべきだったのよ。』
脳裏で呟いた佳代夫人は、つい先日、自宅に届いた1通の手紙から始まった1連の
出来ごとを安堵の思いと共に回想するのであった。

そう、それはかおるが卒業した有名私立小学校からの同窓会の案内状であったのだ。
これまでも何回かかおるが参加していたその行事に、佳代夫人はある考えが天啓の様に
閃いたのである。

この行事はかおるはかかさず参加して来たものであり、ここで欠席すれば不自然である。
同窓会にはかおるの恩師も多数、時には校長さえ参加しており、時々自分も挨拶の為
参加してきた。

おそらく、ここで参加しなければ、彼らは心配して春川家を訪れるかもしれない。
もしそうなれば、かおるのこと、そして自分のことがバレるかもしれない。
だが、それはつまり、惨めな性奴隷へと堕ちた自分達母子だけでなく、名門校、
英正学園の正体が他の公職にあるもの、他校の教師達にまでバレると言うことなのだ。

そんな内容の事をいつもの様に佳代夫人の熟れた媚肉を貪る為に春川家に集まっていた
学園の教師達に話したのだ。
元々おっとりした性格であり、他人と口論どころか、自分の考えを主張することすら
めったにしない佳代夫人であったが、この時ばかりはまさに人が変わったかの様に
懸命に、それこそ夢中になって自分の考えを横田そして羽川校長に伝えるのだった。

とうぜんであろう、いかに奸智に長けた人非人達に嬲られようが、血の繋がった実の
息子と禁断の交わりを持たされようが、愛しい我が子を思う母の心はけっして萎える
事などなかったのだ。

そして当初は冷笑していた獣達であったが、佳代夫人がことさら小学校の時の恩師が
懇意であると述べた時、更に彼らにバレる可能性があると口にした時ははっきりと
動揺していうのが佳代夫人には感じられたのだ。

これが最後のチャンスかもしれぬと思った佳代夫人は、必死になって自分の思いを
彼らにぶつけるのだった。

もう今更自分はどうなってもかまわない、しかし、息子だけは、かおるだけは許して
欲しい、こんな惨めな性奴隷、情けない男娼としての立場から解放してやって欲しい。
代わりに自分が小桜ルミ子として、学園のペットとして勤め続ける。
そして、決してそれらのことを他人には話さないから、、、、と。

そんな説得に彼らが耳を貸す等、いかに世間知らずな佳代夫人であっても期待はしな
かったのだが、他校の教師にバレると聞かされた彼らはやはり平静ではいられなかった
ようである。
羽川校長を筆頭に主だった者達、数人がヒソヒソと話し合い始め、そそくさと春川家を
後にしたのはそのすぐ後であった。

そしてその晩遅く、やはり無駄な抵抗事であったかと諦めかけていた佳代夫人に電話が
あったのだ。
多くの怯えとほんの一抹の期待で電話に出た佳代夫人であったが、相手が横田ではなく
羽川校長であると気付き、やや安堵しながらも応答したところ、なんと羽川は夫人の
予想以上の内容を伝えて来たのである。

それは私立校の管理職らしく、いかにももったいぶって回りくどい内容であったのだが、
その大半は終始、弁解と言い逃ればかりであり、要は明日から出勤してくれるな。
かおるは近日中に必ず戻すし、卒業もさせるから、以降母子共々学園とは無関係である
との内容であったのだ。

あまりの突然の通告と内容に、しばし唖然とする佳代夫人は羽川校長がべらべらと
下らぬ弁解をし続けるその電話の内容を、どこか上の空になりながら聞き続けていたの
だが、電話の切れたその後、やはり我が身が可愛いのは羽川校長とて同じなのだろうか
と、思う佳代夫人であった。

その翌日、ほんとに久々に自宅で過ごせた佳代夫人であったが、正直なところ、当初は
あの不良少年達、更に井川を始めとするおやぢ達から電話が、あるいは直接ここに来る
のではないかと内心怯えながら過ごしていたのだ。
だが、その獣達の心変わり、あまりの急変ぶりに半信半疑であった佳代夫人もそれが
2日、3日目となり、遂には愛しい息子のかおるまでもが帰宅するに至り、ひょっと
したら、ホントに自分達母子は解放されたのではないかと思い始めるのであった。

だが、心残りはやはり景子の事である。
思わず口走った内容の為、自分達母子の事にしか思い至らなかったが、あれから彼女は
いったいどうしているのであろうか。
自分達母子が去った後、あの狂気の様な獣色学園に1人、残された美貌の女教師が今
いったいどんな無惨な目にあっているかを思えば、佳代夫人の心は重く沈んでしまう。

『あぁぁっ、、申し訳ございません、、松下先生、、きっと、、きっと御救い致します
 もう少し、あとほんの少しの辛抱ですので、どうか、、どうか、御待ち下さいまし。』
そうなのだ、同窓会への手配をすませ、本当に久しぶりに自宅で過ごす佳代夫人は、
只、安穏と日々を過ごしていたのではない、参加の手配の際、次回の同窓会はなんと
当時の恩師だけでなく、校長までも同窓会に参加すると知った佳代夫人は、さりげなく
その時に景子の再就職を打診してみるつもりなのであった。

そしてそれらの結果に関らず、その事を井川に告げればおそらく景子も解放されるので
はないだろうか、、、いや、解放されるはずである。
それまで、、それまでほんの少しの間だけこの平穏な時を、久々に自宅で息子と過ごせ
る静かな時を味わせて欲しいと、多少の後めたさはあるもののそれを願わずには
いられぬ佳代夫人であった。

かおるが戻ったその日の晩こそ、多少の不自然さはあったものの、2人共、努めてあの
過酷な日々には触れずに会話をし、その翌日から、かおる自ら遅れていた勉強を再開
するべく図書館に通う、と聞かされた時には心の底から安堵したものであった。
口にするのも忌まわしい行為で変形されたその身体もタオルをさらしの様に使う事で
いささかの不自然さもなく、ごく普通の男子校生の上半身に見えるし、本来、強引に
投与された薬物によるその膨らみ等、それがなくなればじき、元に戻るであろう。

再開された図書館通いも数日を経て、徐々に明るさを取り戻したかおるの姿を目に
した佳代夫人は、あの悪夢の日々が実は本当に夢か幻だったのではないかとすら
思いながら、愛しい息子の為に心をこめて弁当を作り続け、近づきつつある同窓会の
日に向け、ひたすら心を躍らせ、胸を弾ませていた。
それは、長らく忘れていた、そしてこれまで感じたことすらない明るい希望に満ちた
充実した日々であったのだ。

そしてその希望に満ちた同窓会の日、学園に1人残された景子を救える希望の日に
湧き立つ心を抑えつつも、踊るような足取りで懐かしい母校に向かうかおると佳代夫人
であったのだ。

そこで何が待つのかも知らず、、、、、、


「ママッ、、はやく、はやくっ!!」
「はぃはぃ、、そんなに急がないでも大丈夫よ、、」
懐かしい校門を入り、校庭を横きりながら校舎へ向かう母子であったが、ふと気付くと
校庭の半分当りにまるで大きな壁の様にブルーシートが張られ、その向こう側が遮られ
ているのが見えた。

『あらっ、なに、工事かしら?、、でもあんな校庭の真ん中になんて、、、、』
多少いぶかしむ佳代夫人であったが、懐かしさのあまり遂には走り始めたかおるが
校舎の入り口から自分を呼ぶのに気付くと、さして気にもせずそちらへ向かい始めた。

「あれ、、僕達が1番乗りみたいだよ、ママッ」
「ちょっと早く着き過ぎちゃったみたいね、、、、でもいいわ、、先に教室へ、、」
無人である事を示す、キレイな下駄箱に気付いた母子であったが、実際に小1時間近く
早く到着しているのだから、それも当然と思いつつ中へ入ろうとした佳代夫人に突然
声をかける者がいた。

「おぉっ、かおる君のお母さんではありませんか、、いやぁ、御無沙汰しております。」
「あっ!?、、校長先生っ!!、、こちらこそ御無沙汰しておりますっ」
なんとそれはかおるが在校当時から未だに現職に止まっている山田校長その人であった
のだ。

「いやぁっ、、あいかわらず春川さんは御美しいですなぁっ!!、さっ、、早く早く
 みんな首を長くして待っておりますぞっ。」
「えっ?、皆さんって、、もう他の生徒さんもいらしてますの?」
玄関奥の廊下から突然出て来て、佳代夫人に声をかけた校長は、年甲斐も無くその妙な
ハイテンションのまま、まるでその美夫人の手でも引かんばかりの勢いであった。

その勢いに気圧されながらも、当然の様な質問をする佳代夫人であったが、浮かれた
ままの校長はそんな声も聞こえぬのか、今度はその令夫人の隣りにいる美少年に声を
かける。
「おぉっ、、春川かおる君だね、、大きくなったなぁっ、、もう高校3年生だって、、
 そぉかそぉかぁっ、、、」

「は、、はぃ、校長先生、、御無沙汰しておりました、、あ、、あの、、」
やはり校長の迫力に押されたかおるは,慌ててピョコンと可愛く御辞儀をするのがやっと
であったのだが、その可憐な仕草に一瞬、校長の目が妖しく光った事は、かおるも
佳代夫人も気付きはしなかった。

「んっ?、まぁ、挨拶は後、後っ!!さぁっ、早く教室に行きましょう。」
「、、えぇっ、、、」「は、、はぃ、、、」
かおるや佳代夫人の質問を遮った校長はその2人の後から、まるで追い立てるかの様に
廊下へ導くと、そのまま教室へ誘導する。

それは確かに「久々の同窓会に訪れた美貌のマドンナ母子を熱烈歓迎する校長」の様
にも見えるが「長年憧れ続けた美貌の母子を逃がすまいと背後を抑えた変態おやぢ」の
様にも見える光景であった。

そしてその背後に控えた校長の視線は、今や母子から見えないのを良い事に、真っ白な
佳代夫人のうなじやツンと上がった和服のヒップ、更にオープンシャツ越しにかすかに
見えるかおるのバストを抑えたさらしや、妙にくびれたウェストに立派に張り出した
腰をギラギラと凝視し続けているのだ。

ゾクッ!?、、『な、、なに、、なんなの、、』
その刺さる様な無遠慮な視線とそれによる悪寒は被虐に慣れされたかおるや佳代夫人に
とって、あの悪夢の様な煉獄の日々を思い出させるのに充分過ぎる程であり、ふとこの
場所があの悪夢の様な獣色学園ではないかとの錯覚さえ覚えるほどであった。

そして一度不審に思うと、まるで目隠しの様に遮断された校庭や静まり返った校内、
更に直々に出迎えに来た校長。そんな妙な出来ごと全てに漠然とした不安を感じ始めて
しまう春川母子である。
やはり、それはこの数ヶ月の間奸智に長けた獣達から、まさにあらゆる手段で騙され、
嬲られ続けて来た哀れな母子に身に着いてしまった哀しい本能であったかもしれない。

そして、かおるが6年生の時に使用していたその懐かしい教室に一同が、やっとたどり
着いた時、まさに堪え切れぬ思いを吐き出すかの様に校長が何度めになるか判らぬ程の
歓迎の言葉と共に、教室の扉を開き、かおると佳代夫人を中へ誘うのであった。
「さぁっ!!みんな首を長くしてお2人を御待ちしてたんですよっ。どうぞどうぞっ。」

だが、かたや、その変わらぬ教室を見たとたん、その懐かしさに思わず安堵した
かおるや佳代夫人が、つい先程までの不安感も忘れ、すんなりと室内に入ってしまった
のは、やはり本来の性格、人を疑うことを知らぬお嬢様育ちでおっとりした性格のせい
であったのだろう。

懐かしさに感激しつつ、教室内に入った母子だったが、そこは予想に反して父兄どころ
か唯の1人も生徒はおらず、教師やPTA会長、それどころか理事長までなぜかいると
いう、これ以上はないほどのおやぢ揃いであったのだ。

そして茫然とするかおると佳代夫人を尻目に、まさに崩れんばかりの笑顔で母子を迎え
たおやぢ共は一斉に歓迎の言葉を口にする。
「やぁっいらっしゃぃっ!!」「かおるくーんっ、久しぶりだなぁっ!!」
「おぉっ、春川君のお母様ですなっ!!いやぁっ、いつまでも御美しいっ!!」

、、、、、カチャリ、、、、、、、
そして最後に教室に入った校長が、後ろ手に扉を締め更に施錠までした音は、その
大騒ぎの中、かおるにも佳代夫人にも聞こえなかったのは言うまでもない事であった。

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