[朝の用務員室]
 井川は憂鬱だった。今日は週に一回の業務報告書を提出しなくてはいけない日なのだが、
一行も書いていないのだ。いくら校長を始めとした職員室全体が事情を知っているとしても、
後に書類として残るものに、まさかルミ子を輪姦してましたとは書けるわけがないだろう。
まして彼はこのような業務は苦手中の苦手であった。

「何とか集中しなくちゃ。」
 焦れば焦るほど、いつもは甘やかに聞こえるルミ子のあえぎ声が今日は別のものに聞こえてくる。
「まったく人の気も知らないで・・・。」
 そう、井川の苦労もそっちのけで佐倉と君島は今もルミ子に喜悦の声を上げさせているのだ。
「お前ら、少しは静かにしろ!」

 さすがに井川が頭に血が上って叫んだ。だが佐倉と君島はにやにや笑いながら言った。
「井川さん、報告書書くのは抜くもの抜いてからにしなよ。そうすりゃ集中して書けるからさ。」
 それもそうか。井川は筆を置くと、ルミコの待つ奥の部屋に入っていく。
もうすぐ7時、景子がやってくる頃だなと思いながら・・・。



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